為替の上下を予想して稼ぐというのが、FXで大きく儲けるための王道で、誰もが目指す所ですが、日々の値動きに精神的に消耗しますし、やはり向き不向きがあると思います。
そんな方にお勧めのもう一つの稼ぎ方がスワップによる金利報酬をコツコツと積み重ねるスタイルです。
初心者口座でもサラッとスワップについては紹介しましたが、実際の取引イメージについてはしっかり掴めていない方が殆どだと思いますので、今回は細かい数字の部分や仕組みまでしっかい解説していきたいと思います。
スワップで稼ぐなら政策金利が高い国の通貨を購入する
スワップポイントは金利とは基本的に各国の政策金利と連動しています。そのため、多くのスワップポイントを得ようとするならば、政策金利が高い国の通貨で取引する事が必須です。
具体的にFXが可能で政策金利が高い国だと南アフリカ、トルコなどが上げられますが、現状年利ベースで1番多くのスワップ金利を受け取れる通貨ペアはトルコリラ/円の組み合わせです(最も金利が高い国と低い国の組み合わせ)
従って、今回はトルコリラをスワップ目的に購入した場合のシュミレーションを出してみたいと思います。
トルコリラのスワップポイント金利収入のシュミレーション
1トルコリラあたり30円 | |
1000通貨(30円×1000)=3万円(レバレッジ0) | |
1日あたり10円(2017年6月) | |
10円×365日=3650円(元金 |
トルコリラは1リラ30円で1000通貨あたりのスワップポイントが1日/10円です(2017年6月現在)
つまり30円×1000通通貨(1ロット)=3万円分トルコリラを持っていると1日10円の金利が貰える計算です。
月(30日)で言えば30円
年(365日)で言えば3650円のスワップポイント。つまり金利収入が得られる計算になります。
元手のお金が3万円なので3650円÷3万円×100=12.1%
つまり年利に換算すると12.1%になります。
元本を増やして金利を膨らませる
3万円トルコリラを購入して金利が年3650円。まあこれだけでも元金を考えれば十分な収益ですが、年3650円増えただけでは生活に何の影響もありません。
となると、一般的に、金利を増やす為にとれる手段は元本を増やす事です。
例えば、年に365万円。つまり1日1万円の金利収入を得る場合のシュミレーションをして行きたいと思います。
1000通貨(1ロット)で年3650円だったので、365万円の金利(年)を受け取るには1000倍の100万通貨(1000ロット)が必要になり、元本も3万円の1000倍30000万円が必要になります。
レバレッジを利かせてさらに投資効率を上げる。
とはいえ、現実問題として、3000万円もの資金を用意する事は殆どの人にとって不可能です。
しかしFXの場合は最大限のレバレッジをかければ、自己資金120万円で年365万円という金利を手にすることが可能です。
仕組みは以下です。
120万円をFXの証券会社に預ける→レバレッジ25倍(最大)で運用資金を3000万円(120万の25倍)に増やす。増やした金額に対してのスワップが毎日加算される。
今回のシュミレーションにしているトルコリラのケースで言えば、120万×25=3000万でトルコリラを1000ロット保有(1トルコリラ30円で計算)1ロットあたり年3650円の金利。1000ロットなので3650×1000で365万/年
このようにレバレッジ25倍で120万円をトルコリラで運用した場合スワップポイントだけで年365万円もの金利が発生します。
元金は120万に対して年365万円の金利なので、365万÷120万×100=304.1%です。
レバレッジごとのスワップシュミレーション(1トルコリラ30円、自己資金10万円の場合)
(1000通貨) |
(年) |
(1円あたり) |
|
---|---|---|---|
3ロット | 10950円 | 3000円 | |
9ロット | 32850円 | 90000円 | |
30ロット | 10万9500円 | 3万円 | |
45ロット | 16万2900円 | 4万5000円 | |
75ロット | 27万3750円 | 7万5000円 |
レバレッジをかけている分変動の差損益が大きくなります。上記のケースであれば元本が10万円です。レバレッジ25倍の場合は1円価格が下落すると-7万5000円の損失になりロスカットされてしまいます。
価格が上がった場合は勿論利益になるのですが、スワップ狙いの場合はある程度の価格変動に対応する為にレバレッジ10倍程度での運用をおすすめします
元本ごとのシュミレーション(レバレッジ25倍)
トルコリラの価格が上がれば1ロットあたりの元金が増加する為、利率が下がり、逆に価格が下がれば1ロットあたりの元金が減少するので金利が上がります
(レバレッジ25倍) |
(1ロット1000通貨) (1リラ30円で計算) |
(365日あたり) |
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---|---|---|---|
125万 | 41ロット | 14万9650円 | |
250万 | 82ロット | 29万9300円 | |
750万 | 246ロット | 89万7900円円 | |
2500万 | 833ロット | 304万450円 |
いかがでしょうか?FXと言えば、為替の上下を予想して利益を得るイメージがありますが、このように各国の金利差を利用したスワップ投資という方法でも利益を得ることが出来ます。
しかし、ここまでは理論上の話で、実際スワップ目的で運用するとなるとリスクも当然付いてきます。
そのため、スワップ金利狙いの投資を行うには以下の2点のリスクについて理解しておく必要があります。
スワップポイント狙いの投資リスク
- 為替変動リスク
- 金利低下リスク
1.為替変動リスク
まず1番に考えられるリスクが為替の変動リスクです。
例えば、10万通貨(100ロット)トルコリラを保有している場合で考えて見ましょう(1リラ30円で購入、年あたりの金利は36万5000円)
この場合もし30円のトルコリラが29円になった場合1円×10万で10万円損する事になります。(逆に31円になれば10万プラスだけど)
為替の変化でプラスになるのかマイナスになるのかという確率は五分五分ではありますが、理論上の最悪。トルコリラが0円になった場合には30円→0円×10万通貨なので300万円失う事になります。
いくら1年あたり36万5000円の金利が受け取れたとしても、300万円を失うような状況になってしまえば金利どころの話ではありません(そもそも、元金以下になるまえにロスカットされてしまいますが)
ただし、少しこの話は極端という最悪すぎる展開で、通貨の価値が0になると言う事は基本的にはあり得ません。デフォルト(破綻)した国の通貨。例えばアジア危機で韓国ウォンが半値に、アルゼンチンが2001年デフォルトで対ドル4/1に。
このように無価値になるという事はありません。また現在のギリシャを見て解るように突如としてデフォルトする訳ではなく、色々な噂が流れて最終的にデフォルトという流れが普通です。
そして、そもそも論で言えば日本の通貨がデフォルトしないとも言い切れ無れません。私達が日本円のみで資産を保有しているというのはFXで言えば日本円のみに全力投資している状態ですから、投資という観点から見るとかなり博打的な行為ですから、むしろ資産の一部を外貨で保有していると言うのは健全な資産保有の形と言えます。
2.金利変動リスク
もう一つのリスクが金利変動リスクです。これに関してはトルコリラの金利が下がるリスク。そしてもう一つのパターンが日本の金利が上がるケースです。
FXのスワップポイントというのは、2国間の通貨の金利差によって基本的には決められているため、この差が縮まってしまえば、当然付与されるスワップポイントも減少します。
ただし、これに関しても日本の金利はここ十数年ずっと低いままですし(経済成長余地が少なく、安定した国の金利は低い)
トルコの金利はずっと高いままです(発展途上の国は金利が高い)
そしてトルコが経済的に成長&安定し、金利が下がるような段階であれば、トルコ通貨の価値というのも日本円に対して上昇して行く可能性が高いと思います。
ですから金利(スワップポイント)が減った分は為替の利益で埋められる可能性が高いと言えるでしょう。
従って、金利変動リスクというのはスワップポイントだけを考えた時にはリスクとなり得ますが、全体的な収益から考えた場合にはリターンにもなり得る要素です。
スワップ狙いの投資まとめ
少し長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
FXを実際にやっていると、短期的な利益に目を奪われて為替変化による利益ばかりを追いかける傾向もがありますが、今回紹介したようにスワップ金利も日々の利益は少ないながらも長い目で見れば、確実に積み上がっていきます。
実際管理人も毎日数千円ではありますがトルコリラのスワップ金利を受け取っています。
確かに為替変化によるマイナスのリスクというのはありますが、プラスに動く可能性も同じだけありますし、年利回り分12%はマイナスに動いても損益になりません。
しかも金利は日割りで受け取れとて、いつでも投資資金えおひき上げられる。
正直いってこんなに美味しい投資はありません。
今回はトルコリラでお話しましたが、南アフリカランド、オーストラリアドルなどもトルコリラほどではありませんが、高スワップ通貨になっています。
こういう通貨で取引するとスワップ分有利に取引をする事出来ますので、そのことを頭にいれて長期目線での取引にも挑戦していただければ安定期な投資を行うことが出来ます。